不動産投資は年収いくらから?金融機関別の年収要件と、借入額の「上限ではなく安全圏」
- 金融機関の年収要件は業態でばらつくが、都銀は700万円台、地銀・信金は500〜600万円台、ノンバンクは300万円台からが目安。
- 「年収の7〜10倍まで借りられる」は金利1%台を前提にした古い目安。金利上昇局面では鵜呑みにしない。
- 借入3,000万円・35年の場合、金利が2.0%から3.0%になると毎月の返済は約16,100円増える(筆者試算の目安)。
- かぼちゃの馬車事件以降、自己資金2〜3割・年収の10倍以下という基準が実質的な標準になった。
- 年収600万円未満、またはローンへの不安が大きい方は、1万円から始められる不動産クラウドファンディングも選択肢になる。
「不動産投資 年収 いくらから」と検索して、この記事にたどり着いた方が多いと思います。結論から言うと、この問いの立て方そのものが、実は少しずれています。
私たちは、不動産会社の販売資料を公的な一次情報と突き合わせて検証することを専門にしています。これまでに数十社分の販売資料と収支シミュレーションを読み比べ、Q&Aサイトに投稿された購入後の相談も継続的に読み込んできました。その経験から言えるのは、「年収◯◯万円あれば大丈夫」という単一の答えは存在しないということです。金融機関ごとに求める年収は違いますし、同じ年収でも借りていい金額は人によって大きく変わります。
この記事では、金融機関別の年収要件の目安を一覧にしたうえで、「いくらまで借りられるか」ではなく「金利が3%になっても耐えられるのはいくらまでか」という逆の物差しで、あなたの安全圏を計算する方法をお伝えします。
年収要件を確認したうえで、後半では「あなたが今、どの段階にいるか」を診断できるフローチャートも用意しました。焦って結論を出す前に、まずご自身の立ち位置を確認してください。
「年収いくらから」という質問が、実はずれている理由
不動産投資の相談を受けていると、最初にほぼ全員が「年収いくらあれば始められますか」と聞いてきます。気持ちはよく分かります。ただ、この質問には隠れた前提があります。
それは「借りられる金額まで借りることが正解」という前提です。金融機関が融資可能と判断した金額と、あなたが金利上昇局面でも無理なく返せる金額は、まったく別の数字です。
審査する側の金融機関は、あなたの生活が破綻しない範囲で貸そうとします。しかし金融機関の審査は現在の金利水準を前提にしています。数年後に金利が上がった場合の余力までは、十分に織り込んでくれるとは限りません。
だからこそ、この記事では「借りられる年収」と「安全に返せる年収」を分けて考えます。まず金融機関別の目安を確認したうえで、後半で逆算の物差しを渡します。
購入後の相談を読み込んできた実感として、年収要件をクリアした人の中にも、数年後に金利上昇で返済に苦しむ方と、余裕を持って乗り切る方がはっきり分かれます。その違いを生むのが、借入時にどこまで先を見て金額を決めたかです。

金融機関別・年収要件の早見表(目安)
金融機関によって、不動産投資ローンを検討できる年収ラインは大きく異なります。次の表は、公庫(日本政策金融公庫)・都銀・地銀・信金・ノンバンクという業態ごとの、審査を受けられる年収の目安をまとめたものです。同じ「年収500万円」でも、勤務先が上場企業か中小企業か、勤続年数が何年かによって、実際に通る金融機関は変わってきます。あくまで入口の目安として見てください。
| 業態 | 年収の目安 | 金利の目安 |
|---|---|---|
| 都銀(メガバンク) | 700万円台〜 | 1.5〜2.0%台(優良属性・優良物件のみ) |
| 地方銀行 | 500〜600万円台〜 | 2%前後〜3%台 |
| 信用金庫 | 500万円台〜 | 2%台〜3%台 |
| ノンバンク | 300万円台〜 | 2.5〜4.0%(一部は4%超〜7%台) |
| 日本政策金融公庫 | 個別審査(属性より事業計画重視) | 1%台〜2%台 |
この年収要件はあくまで目安です。実際の可否は勤続年数・雇用形態・既存の借入状況・物件の収益性など、複数の要素を総合して判断されます。同じ年収でも属性が違えば結果は変わります。
都心・駅近の物件を扱う 投資用ローンの金利は金融機関ごとにどう違うか は別記事で詳しく整理しています。
また、金利の水準も業態によって大きく異なります。都銀は年収要件が高い分、金利は低く抑えられる傾向があります。逆にノンバンクは年収要件が緩やかな分、金利は高めに設定されています。年収要件だけでなく、金利水準もセットで比較することが大切です。
複数の金融機関に相談する際は、年収要件だけでなく、金利・融資期間・団体信用生命保険の有無まで含めて比較検討することをおすすめします。一つの金融機関の回答だけで判断を確定させないことが重要です。
なぜ年収要件は上がったのか。かぼちゃの馬車事件という転換点
2018年、シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営していたスマートデイズが、オーナーへのサブリース賃料を払えなくなり経営破綻しました。融資元だったスルガ銀行では、預金通帳の改ざんなど不正融資も発覚しています。
この事件を境に、不動産投資向け融資の審査は明確に厳しくなりました。かつてスルガ銀行は年収500〜600万円程度でも融資に応じていたとされますが、現在は900〜1,000万円水準が目安になったと言われています。
事件後に標準化した融資基準の目安は、大きく3つです。第一に、初心者(新規の大家)には融資しない。第二に、物件価格の2〜3割の自己資金を求める。第三に、融資限度額を年収の10倍以下に抑える。
「年収の10倍以下」はあくまで上限の目安であって、10倍まで借りて良いという意味ではありません。次の章で説明する通り、上限に近づくほど金利上昇時の耐性は下がります。
日銀は2026年度の考査方針で、不動産業向け貸出の審査・管理体制を重点的に点検すると明記しています。今後も審査が緩む方向には進みにくいと見ています。
この基準がどのように固まってきたかは、金融機関が公表している融資姿勢の変化からも読み取れます。事件前は「物件の収益力さえ良ければ、自己資金ゼロでも融資する」という空気が業界全体にありました。今はその空気が完全に変わっています。
次の図は、かぼちゃの馬車事件以降、融資基準がどう変化してきたかをタイムラインで示したものです。

「借りられる額」ではなく「金利3%でも耐えられる額」で考える
ここが、この記事で一番伝えたいことです。金融機関が「あなたは3,000万円まで借りられます」と言ったとします。しかし、これは今の金利水準における審査結果にすぎません。
不動産投資ローンには、住宅ローンにある「5年ルール」「125%ルール」(返済額の急変を緩和する仕組み)が付かないことが多いという事実があります。つまり、金利が上がれば、ほぼそのまま返済額に反映されます。
だから借入額を決めるときの問いは、「いくらまで借りられるか」ではなく「金利が3%まで上がっても、家賃収入と自分の給与で無理なく返せる金額はいくらか」に変えるべきです。
住宅ローンであれば、返済額が急に増えても激変緩和の仕組みで当面の生活が守られます。投資用ローンにはその緩衝材がありません。だからこそ、借入を決める段階で、あらかじめ金利上昇分を織り込んでおく必要があるのです。次の図で、この発想の転換を整理してみます。
物件を見る前に「自分がいくらまで借りられるか」を先に知る。
- 運営は株式会社MFS(東証グロース 196A)。貸金業 東京都知事第31690号
- 不動産投資ローンの借入可能額診断・借り換え診断サービス
注意 同社は投資助言・代理業の登録事業者ではありません。得られるのは情報提供・診断であり、投資助言ではありません。
上記はINVASEの公表値・公開情報にもとづく記載です。最新の条件は公式サイトでご確認ください。
金利2.0%→3.0%で、返済額はいくら増えるか(実額)
耐性を計算するには、具体的な実額を知る必要があります。借入3,000万円・返済期間35年・元利均等返済という条件で試算すると、次のようになります(筆者試算の目安)。
| 金利 | 毎月の返済額 |
|---|---|
| 2.0% | 約99,400円 |
| 3.0% | 約115,500円 |
差額は月あたり約16,100円、年間では約19万円です。これは金利が1%上がった場合の試算であり、実際の増加幅は借入額や返済期間によって変わります。
投資用ローンは、住宅ローンの「5年ルール」「125%ルール」が付かないことが多いため、金利上昇がほぼ即座に返済額へ反映されます。この試算をシミュレーションで終わらせず、自分の家賃収入で吸収できるかをご自身で確認してください。
金利上昇の影響をより詳しく知りたい方は、金利が2.0%から3.0%になったときの月次キャッシュフローの実額試算も参考にしてください。
年間で約19万円という金額は、家賃収入でどこまで吸収できるかを確認しておくべき水準です。区分マンション1戸の家賃収入が月8万円程度だとすると、年間約19万円の増加は家賃の2か月分近くに相当します。決して小さな金額ではありません。
「自己資金〇〇万円で、いくらまで借りられますか」という質問は、知恵袋でも定番の相談パターンです。回答の傾向を整理すると、借入額そのものより先に考えるべきことがあると分かります。
- 「自己資金1,000万円あれば、いくら借りられるか」という具体的な質問が繰り返し投稿されており、回答者は金額の目安を示すよりも先に、「借りられる額」と「返し続けられる額」は別物だと指摘するケースが目立ちます。
- 「フルローンは、撤退や損切りができなくなる最大の原因になる」という意見が多くの回答で共通しています。頭金を入れずに満額を借りると、物件価格が少し下落しただけで残債割れとなり、売りたくても売れない状態に陥りやすいという内容です。
- 「借りられる額まで借りるのではなく、金利が上がっても耐えられる額で止めておくべき」という声も繰り返し見られます。
- 「年収要件を満たして融資が通ったからといって、その物件の収益力が保証されたわけではない」と、審査上の年収要件と物件の実力を混同しないよう注意する回答もあります。
いくら借りられるかという質問の裏には、いくらなら返し続けられるかという、より重要な問いがあることが分かります。
「年収の7〜10倍まで借りられる」は、金利1%台前提の遺物
不動産会社の営業トークでよく聞く「年収の7〜10倍までは借入可能です」という説明は、間違いではありません。ただし、この目安が成立していたのは、金利が1%台という前提があったからです。
金利1%台であれば、同じ月々の返済額でもより多くの元本を借りられます。逆に金利が上がれば、同じ返済額で借りられる元本は減ります。つまり「年収の何倍」という倍率は、金利水準によって意味が変わる相対的な数字です。
日銀の政策金利は2024年3月にマイナス金利政策が解除されて以降、段階的に引き上げられ、2026年6月には0.75%から1.00%へと、1995年以来31年ぶりの水準まで上がりました。短期プライムレートも2024年9月の1.475%から、2026年8月には2.375%への改定が予定されています。
2027年末の政策金利について、エコノミストの見通しは0.75%から2.00%まで、1.25ポイントの幅があります(機関により異なる)。単一の数字を信じるのではなく、レンジで備えておくべき局面です。
「年収の7〜10倍」という目安を金科玉条にせず、自分自身で金利3%のシミュレーションを行ってください。倍率は入口の目安にすぎません。
この倍率だけを根拠に購入した人が、金利が上がった局面でまとめて条件変更や借り換えの相談に至る例は、Q&Aサイトの投稿でも繰り返し確認できます。倍率は入口の目安であり、金利水準が変われば同じ倍率でも安全度はまったく違ってきます。
次の図は、毎月の返済額を一定(約99,400円)とした場合に、金利水準によって借入可能額がどれだけ変わるかを示したものです(筆者試算の目安)。

年収要件を満たしても、物件の数字が耐えられるとは限らない
年収要件を満たし、金融機関から融資の承認を得られたとしても、それだけでは安全とは言えません。物件そのものの収益力が、金利上昇に耐えられるかどうかを別途検証する必要があります。
ここで使うのがDSCR(返済余裕率。純営業収益÷年間ローン返済額)という指標です。金融機関の一般的な目安として、DSCRが1.3を下回る物件は購入すべきではないとされています。
もう一つ重要なのがイールドギャップ(期待利回りと借入金利の差)です。東京・城南のワンルームタイプの期待利回りは3.6%(日本不動産研究所・第54回不動産投資家調査、2026年4月時点)とされています。ここから借入金利2.4%程度(短期プライムレート連動の目安)を引くと、差はわずか1.2ポイントです。
イールドギャップが1.2ポイント程度しかない場合、金利があと1%上がるだけで、このギャップは消えてしまいます。年収要件をクリアすることと、物件の数字が耐えられることは、まったく別の話です。
NOI利回り・CCR・DSCR・イールドギャップという指標の詳しい計算方法は、表面・実質だけでは足りない本当の最低ラインの見方にまとめています。
年収要件をクリアして融資の承認が下りても、物件のイールドギャップが薄ければ、金利上昇局面で収支は簡単にマイナスに転じます。審査の通過と、物件の収益力が金利上昇に耐えられることは、別々に検証すべき2つの条件です。
DSCRとイールドギャップは、どちらも購入前にご自身で計算しておきたい指標です。営業担当者が提示する収支シミュレーションを鵜呑みにせず、家賃下落や空室率も加味した保守的な数字で再計算する習慣を持ってください。
投資用ローンを先に組むと、マイホームが買えなくなる
年収要件の話をするとき、見落とされがちなのが住宅ローンとの兼ね合いです。住宅ローンの審査では、返済比率(年収に占める年間返済額の割合、一般に30〜35%が上限)に、投資用ローンの年間返済額が丸ごと算入されます。
例えば年収700万円で返済比率の上限が35%の場合、年間の返済枠は245万円です。ここに投資用ローン2,500万円(金利2.4%・35年)を組んでいると、年間返済額は約111万円になり、住宅ローンに使える枠は残り約134万円まで縮みます(筆者試算の目安)。
これを金利1.0%・35年の住宅ローンに換算すると、借入可能額はおよそ4,000万円から2,200万円程度まで縮小する計算になります(同じく筆者試算の目安)。
将来マイホームを持ちたいと考えているなら、投資用ローンを組む前に、住宅ローンへの影響を事前に試算してください。買う順番を間違えると、後戻りできなくなります。
この計算の詳細は、投資用ローンを先に組むとマイホームが買えなくなる返済比率の壁で解説しています。
特に20代・30代でこれからマイホームも考えている方は、投資用ローンを先に組むことで数年後の住宅ローン計画に影響が出る可能性があります。ライフプラン全体の中で、どちらを先に組むべきかを検討する価値があります。
公務員は年収要件を通りやすいが、狙われやすい属性でもある
公務員は、金融機関の審査において最も評価の高い属性の一つです。収入が安定しており、勤続年数の見通しも立てやすいためです。年収要件だけで見れば、多くの金融機関で審査が通りやすい立場にあります。
ただし、ここには逆説があります。安定属性として評価が高いからこそ、投資用マンションの営業から最も強く狙われる属性でもあるのです。
人事院規則14-8では、承認を要さない範囲として、独立家屋5棟未満かつ独立家屋以外は10室未満、年間の賃貸収入が500万円未満、管理を業者に委託し職務遂行に支障がないことという3要件が定められています。これを超える場合は所轄庁の長の承認が必要です。地方公務員は地方公務員法38条が適用され、自治体ごとに基準が異なります。
公務員が不動産投資を行うこと自体が禁止されているわけではありません。ただし規模の上限があり、所属先の規程を確認する必要があります。
公務員特有の規程と実際の処分事例は、5棟10室・年間500万円ルールの実務と処分事例で詳しく扱っています。
公務員の方から「勧誘がしつこい」という相談を受けることが少なくありません。年収要件を満たすからといって、勧誘されるがままに借入額を決めるのではなく、ご自身で金利3%のシミュレーションを行ったうえで判断してください。

あなたの安全圏を診断するフローチャート
ここまでの内容を踏まえて、あなた自身の状況を簡単に診断できるフローチャートを作りました。年収と自己資金、そして金利上昇への耐性を軸にしています。
この診断で「現物ローンは急がない」に該当した方は、無理に借入をする必要はありません。年収600万円未満の方や、ローンへの不安が大きい方には、少額から始められる選択肢もあります。逆にすべての設問を通過した方も、都心・駅近という条件を外さずに検討を進めることをおすすめします。地方や高値掴みの物件は、この記事の議論の対象外です。
年収要件を満たさない、または満たしても不安が残る場合
年収600万円未満の方、あるいは条件は満たしていてもローンを組むこと自体に不安がある方には、無理に現物のローンを組む必要はありません。
不動産クラウドファンディングは、1万円程度から出資でき、ローンを組まずに自己資金の範囲だけで不動産に投資する仕組みです。優先劣後方式(投資家が優先的に元本の返済を受ける仕組み)を採用するファンドが多いですが、これは出資した資金の全額を約束するものではありません。劣後出資の割合を超える損失が出れば、優先出資者の元本も毀損します。
逆に、年収600万円以上で自己資金も確保でき、金利3%のシミュレーションでも耐えられると判断できた方は、都心・駅近に絞って具体的な物件を検討する段階に進んでよいと考えます。
年収要件は入口にすぎません。自己資金の厚み、金利3%への耐性、そして物件そのものの収益力。この3つを順に確認してから、初めて具体的な検討に進んでください。
始め方の全体像は、今すぐ始めてはいけない5条件から確認する始め方の判定フローを、少額での選択肢は劣後比率・許可番号・遅延履歴で採点したクラウドファンディング比較を参考にしてください。
どちらの段階に該当するとしても、営業担当者の説明を鵜呑みにせず、ご自身で数字を再計算する習慣を持ってください。それが、この記事を通じて私たちが最も伝えたいことです。
よくある質問
業態によっては審査対象になります。ノンバンクや一部の信用金庫は年収500万円台からの融資実績があるとされています。ただし年収要件を満たすことと、金利上昇に耐えられることは別問題です。自己資金の厚みと金利3%のシミュレーションもあわせて確認してください。融資が通ることと、無理なく返せることは、審査する金融機関にとっても別の論点として扱われています。
「年収の7〜10倍」という目安は金利1%台を前提にした数字であり、金利が上がるほど実質的な安全圏は狭まります。倍率ではなく、金利3%で毎月の返済額がいくらになるかを実額で計算し、家賃収入と給与で無理なく吸収できるかで判断することをおすすめします。倍率だけを見て判断すると、金利上昇局面で想定外の負担を抱えることになります。
審査の承認は、現在の金利水準を前提にした金融機関側の判断にすぎません。投資用ローンには住宅ローンの5年ルール・125%ルールが付かないことが多く、金利上昇がほぼ即座に返済額へ反映されます。承認額と、自分が安全に返せる額は分けて考えるべきです。承認された金額をそのまま借りるかどうかは、あなた自身の判断に委ねられています。
かぼちゃの馬車事件以降に標準化した目安として、物件価格の2〜3割の自己資金を求める金融機関が増えています。自己資金が薄いほど、金利上昇時の返済負担吸収力も下がる傾向にあります。フルローンに近い形で組んだ案件ほど、金利上昇局面での相談が増える印象があります。
収入の安定性から、金融機関の評価は総じて高い傾向にあります。ただし人事院規則14-8により、独立家屋5棟未満・10室未満、年間賃貸収入500万円未満などの範囲を超えると所轄庁の承認が必要です。安定属性であるがゆえに営業から狙われやすい面もあり、勧誘を鵜呑みにせず自分で数字を確認する姿勢が欠かせません。
現物の不動産投資を急ぐ必要はありません。1万円程度から出資できる不動産クラウドファンディングであれば、ローンを組まずに自己資金の範囲で不動産に触れることができます。優先劣後方式でも出資金の全額が戻る仕組みではない点には留意してください。まずは少額で不動産投資の仕組みに慣れることも、一つの選択です。
金融機関の審査基準や物件の担保評価によって幅がありますが、共通リサーチ資料の目安では、事件後に標準化した融資基準として、物件価格の2〜3割程度の自己資金を求める金融機関が多いとされています。自己資金1,000万円であれば、単純計算では物件価格3,000万〜5,000万円程度が目安になりますが、これはあくまで筆者試算の目安です。借りられる上限額ではなく、金利上昇後も返済を続けられる額で考えることをおすすめします。
そう言い切ることはできません。知恵袋でも「フルローンは撤退・損切りができなくなる最大の原因」という指摘が繰り返されているとおり、頭金なしで満額を借りると、物件価格がわずかに下落しただけで残債割れとなり、売却したくても手出しの現金が用意できず身動きが取れなくなるリスクがあります。フルローンが出たことを喜ぶ前に、出口が取れる借入額かどうかを確認してください。
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